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ビジネスの第一歩。
ビジネスで違いの出る話し方講座

謙譲語と尊敬語

尊敬語は相手の、謙譲語は身内の動作に使うこと。「申された」という言葉はない。「おっしゃられた」が正しいーーこの区別をしっかり覚えること。下手な敬語は聞き苦しいし、誤用すると相手に不快感を与えてしまう。

相手に謙譲語を使うと失礼になる

敬語はいちど、間違えて覚えこむと、あとから訂正することは、なかなか難しい。

まだ、新入社員のうちなら、多少おかしな表現をしても、一生懸命に敬語を使おうとする誠意に免じて大目に見てもらえることもあるだろう。

しかし、敬語の誤用は会話の相手に直接、不快感を与えてしまう危険性が大きい。

それだけに、敬語を正しく使えるかどうかが、社会人としての能力を判断する重要なポイントにもなる。

あなたの敬意を誤りなく相手に伝えるために、実際に誤用の多い敬語表現にどんなものがあるのかを知ることは、きわめて大切である。

「申される」という言葉はない

敬語の誤用でもっとも多いのは、尊敬語と謙譲語を混同するケースである。なかでも「申す」という謙譲語を「申される」という形にして、尊敬語のつもりで使っている人をよく見かける。

たとえば「社長がそう申されました」という言い方をして、社長の「言う」という動作を「申された」を使って尊敬しているつもりでいる。しかし、これは明らかに間違いである。

「申された」という言葉はない。「申す」はあくまでも謙譲語であり、自分や身内の「言う」という動作をへり下るときに使う言葉である。

「言う」に「れる」をつけた「言われる」は尊敬語になるが、「申す」という謙譲語に「れる」をつけても決して尊敬語にはならない。

先の例文は、社内の人間に向かってなら「社長がそうおっしゃいました」、社外に対してなら「私どもの社長の山田がそう申しておりました」と言うのが正しい。

相手の動作を謙遜してはならない

尊敬語を使うべきところに謙譲語を使う誤用例は非常に多い。

来客に向かって「どうぞ、食事をいただいてください」という言い方をするのをよく聞く。もちろん「いただいてください」ではなく「召し上がってください」と言わなければならない。

来客は、尊敬語を使うべき相手である。その「食べる」という動作には尊敬語を使わなければならない。「いただく」は自分または身内の「食べる」という動作をへり下るときの言葉であり、その語を使うことによって、会話の相手を尊敬する働きをもつ。

したがって、相手の動作に「いただく」を使うと。相手をへり下らせ、自分を尊敬させるという、とんでもないことになってしまう。

尊敬語と謙譲語の区別のしかた

尊敬語は相手の動作に使い、謙譲語は自分(身内)の動作に使うーーこの区別をしっかり覚えておこう。

自分の動作を尊敬しないこと

自分や身内の動作に尊敬語を使うというミスも、しばしば見うけられる。

たとえば、外部からの電話で「田中部長にそうお伝えください」と頼まれたとき、「はい、そうお伝えします」と答えてしまうことがある。

ここで、「伝える」という動作をするのは誰であるかを考えてみよう。

田中部長に客の用件を「伝える」のは電話を受けたあなたなのだ。電話をした人は、会話の相手であるあなたの動作を敬って、「お伝えください」という尊敬語を使ったのである。

あなたにとっては「伝える」は自分の動作だ。「はい、部長にそう伝えておきます」と言えば適切な表現になる。

仲間同士で注意し合おう

敬語の誤用は敬意の不足が原因ではなく、正しい用法に慣れていないため、即座に判断が下されないことによる場合が多い。

「はい、田中にそのようにお伝えします」と言ってしまってから、その応対がどこかおかしいと感じても、間違ったところがはっきりわからないまま、訂正する機会を逃してしまうことがよくある。

もし、あなたの同僚が間違った敬語の使い方をしているのに気がついたら、「君は『お伝えします』と言ったけど、自分の動作に『お』をつけるのは間違いだよ」と注意してあげよう。

そしてまた、仲間からの同じような注意は、素直に受け入れるようにしたいものである。