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ビジネスの第一歩。
ビジネスで違いの出る話し方講座

敬語の基本常識

尊敬語・謙譲語・丁寧語など、使い分けのポイント。上司、年長者、そして顧客などTPOに応じて適切な敬語を使う能力は、社会人の必須条件。敬語の基本精神を理解して、短時間でマスターするために整理して覚えよう。

敬語はビジネス社会ではきわめて重要なファクターである。しかもビジネス社会なりの伝統や決まりといったものがあり、マスターするのは容易ではない。ここで整理しておこう。

上司や年長者、顧客に対して敬語を使うのは当然であり、TPOに応じて適切な敬語を使い分ける能力は社会人の必須条件として要求されている。したがって、上司に向かってぞんざいな口のきき方をすれば、社内ので評判を落とすばかりではなく、社外からも、人格だけでなくビジネス能力まで疑われることになる。

敬語には三種類ある

敬語には相手や相手の動作を敬うときに使う尊敬語、自分(身内)やその動作をへり下るときに使う謙譲語、ていねいな言い回しをすることによって敬意を表す丁寧語の三種類がある。

ビジネス社会では、これら三種類の敬語を人間関係に応じて正しく使い分けることが要求される。

尊敬語について

尊敬語は相手や相手の動作を敬う言葉であり、原則として自分より目上の人に使う言葉である。それでは、実際のビジネス社会で敬語を使うべき相手とはどういう人たちだろうか。

尊敬語を使うべき相手

ビジネス社会には、社内の人間関係と社外の人間関係がある。社内の人間関係は、新入社員の場合は同僚以外すべてが目上にあたる。したがって、新入社員が尊敬語を使わなければならない相手は同僚以外の全員になる。

対外的な人間関係としてはまず得意先があり、得意先の会社の人間に対してはすべて尊敬語を使わなければならない。

また、あなたの会社へ資材を納品する会社もある。つまり、あなたの会社が得意先になるのだが、そういう会社の人たちに対しても、新入社員ならあなたは尊敬語を使うべきである。

尊敬語の使い方

尊敬語を使うべき相手は上司、年長者、顧客などあなたにとって目上の人であることがわかった。では、現実にどういう場面で、どういう言葉を使えばよいのだろうか。

「食べる」という動作について考えてみよう。あなたが同僚を相手にするときは「もうお昼は食べた?」と聞き、同僚の「食べる」という動作については「食べる」という言葉をそのまま使えばよい。

しかし、あなたの会話の相手が上司である部長のときは、目上の人の「食べる」という動作に尊敬語を用いなければならない。「食べる」の尊敬語は「召し上がる」である。したがって、「部長、もうお昼は召し上がりましたか?」と言う。

よく使われる尊敬語

  • 行く→行かれる。いらっしゃる。
  • 来る→来られる。おいでになる。いらっしゃる。
  • いる→おられる。いらっしゃる。
  • 見る→ご覧になる。見られる。
  • 聞く→聞かれる。お聞きになる。
  • 与える→下さる。
  • 食べる→召し上がる。お食べになる。
  • する→なさる。される。
  • 言う→おっしゃる。言われる。

謙譲語について

謙譲語は自分(身内)を謙遜して使う言葉であるが、実際の会話であなたが謙譲語を使うべき相手はどういう人たちであろうか。

謙譲語を使うべき相手

謙譲語はあなたの動作をへり下ることによって、会話の相手への敬意を表現する言葉である。つまり、会話の相手にあなたが敬意を表すべき人、言い換えればその人の動作に尊敬語を用いるべき人であるとき、あなたは自分の動作に謙譲語を使わなければならない。あなたが尊敬語を使うべき相手は、会社の上司、先輩、そして社外の人たちであるから、それらの人たちとの会話では。あなた自身の動作に謙譲語を使わなければならない。

目上の人に対する使い方

実際に謙譲語を使う場面を「食べる」という動作を例にとって考えてみよう。

あなたがすでにお昼を食べてしまったことを同僚に対して話すときには、「もうお昼は食べた」と言えばよい。しかし、同じことを目上の人に向かって言うときには、あなたの「食べる」という動作をへり下って「いただく」という謙譲語を使わなければならない。つまり「わたしは、もうお昼をいただきました」というのが正しい。

社外の人に対する使い方

謙譲語はあなた自身の動作について使う言葉であるが、またあなたの身内の動作についても使う言葉である。

ビジネス社会では身内とは具体的に社内の人間を指す。

得意先など社外に対しては、社内の人間は社長以下全員に謙譲語を使わなければならない。これは敬語の使い方の重要なポイントであるから、充分に留意してほしい。

あなたと自社の山田社長との会話では、あなたは「社長、もうお昼を召し上がりましたか?」と言い、社長の「食べる」という動作には尊敬語を用いなければならない。

しかし、その同じ社長の同じ「食べる」という動作について、社外の人に話すときには「私どもの社長の山田はもうお昼をいただきました」と言い、「食べる」の謙譲語を使わなければならない。

よく使われる謙譲語

  • 行く→参る。伺う。
  • 来る→参る。
  • いる→おる。
  • 見る→拝見する。
  • 聞く→伺う。拝聴する。
  • 与える→差し上げる。
  • 食べる→いただく。
  • する→いたす。
  • 言う→申す。

丁寧語について

「です」「ます」をつける

丁寧語の基本は「です」「ます」をつけることだ。ビジネス社会では「です」「ます」をつけて話すことは常識である。

実際の場面では、丁寧語は尊敬語や謙譲語と組み合わせて使われることが多い。逆に言えば、尊敬語も謙譲語も丁寧語とともに使われなければ、完全な敬語表現にはならない。

たとえば、部長に向かって「もうお昼は召し上がった?」と言えば失礼になる。いくら「召し上がる」という尊敬語を使っても、語尾に丁寧語の「ます」をつけて「召し上がりましたか?」と言わなければ敬意は表せない。

また、先輩に対して「わたしはもうお昼をいただいた」と言うのもおかしい。「「いただく」という謙譲語に丁寧語の「ます」をつけて「いただきました」と言わなければ敬語として完全ではないのである。

二重敬語にしないこと

「食べる」や「見る」には「召し上がる」「ご覧になる」というように決まった尊敬語がある。

こういう特別な形の尊敬語をもたない動詞は、たとえば「待つ」ならば「お待ちになる」という形にして尊敬語にする。あるいは、「待たれる」という形にしてもよい。

ここで注意しなければならないのは、「召し上がる」という尊敬語にもういちど「れる」という尊敬表現をつけ足してはいけないことだ。「召し上がられる」は二重敬語になる。こういう言葉を使ってはいけない。

したがって、「社長、展示会場はもうご覧になられましたか」という言い方をしないこと。「ご覧になりましたか」と言えばよい。

また、「息子さんはもうご卒業されましたか」も二重敬語になるので避けるべきだ。「卒業された」というのは尊敬語になる。これに「ご」をつけて敬語を重ねる必要はまったくない。

例文は「もう卒業されましたか」、あるいは「もうご卒業になりましたか」というのが正しい。

敬語を二重に使ったからといって、敬意が二倍になるわけではなく、「お」や「ご」の連発がていねいさを通りこして嫌味になってしまうこともある。むやみに敬語を重ねて使うのは決して好印象を与えない。

敬語は相手をもち上げたち、自分を卑下するための言葉ではない。あくまでも、お互いの人間性を尊重するための表現である。

この敬語の基本精神を逸脱した言葉づかいは避けたいものである。